食事の大切さを見直そう 3
③しつけ、日本の食文化を教える場
食事をすることの大切な意義のもう1つは、家族で囲む食卓は、子供たちにとっての「教育の場」であるということです。
食前食後のあいさつはもちろん、箸の上げ下ろし、食器の持ち方、食べる時の姿勢、食べ物を口に入れたまましゃべらない、不快な音を立てない、好き嫌いをしない、出されたものを残さず食べるなど、「食事」という行為を通して、子供たちは「礼節」を学び、食べ物に感謝する心、食べ物を大切にする心を育んでいきます。
もちろん、こういった食事のマナーなどをただ厳しくしつけるだけでなく、前述のように家族で食事をすることの楽しさを共に体験することで、子供たちは食事をすることの意味、楽しさを理解するようになります。
また、毎日の食事の中では、食事のマナーだけでなく、さまざまな食材や調理法を通して、日本の食習慣・食文化についても学んでいくことができます。
文字どおり「日常茶飯事」的に行われる食事が、まさに大切な子育ての場にもなっているのです。
食事の回数は1日3回、1年では1095回にもなります。
食卓で子供たちをしつけ、教育する機会は、家庭と学校等で年に1000回以上もあるのです。このチャンスを逃す手はありません。 40年前は、おそらく家庭においては年に700~800回は家族揃って食事をしていましたが、時代が移り、社会環境も変わり、今では300回ぐらいになってしまったといわれています。
少なくとも毎日、最低朝と晩の2回は家族全員でゆっくりと食事する時間を持ちたいものです。子供の心身の発達にとって大切な時期である3~8歳の数年間は、特に重要です。
この時期に、一人きりの食事を子供にさせないよう、また、テレビを消して食事を共にすることが、健全な人間性を育成するために、親に課せられた義務であるといっても過言ではありま
せん。
●「食」について考えることは
人問生活の本来の姿を見つめ直すこと。野生動物は、本来、自分たちが生きていくために必
要な食べ物を、必要な時に必要なだけ食べます。そして、子どもたちに餌の取り方を教え、一人立ちできるように教育することが親の務めと、本能で育てるのです。
人間もさほど遠くない昔まではそうでした。ところが、そのことを忘れてしまった親が多くなってきたのです。0~3歳ではスキンシップをしっかりとり、親と子の絆を深めましょう。3~8歳ではテレビを消して、家族そろって同じ食品の食事をし、しつけをします。
また、O~20歳は子どもの体が成長する大切な時期。家庭や学校においてバランスの良い食事をさせることに努めなければならないのです。これは、親や学校の義務なのです。
●大切な教育の機会を失いつつある日本
日本では、核家族化や少子化が進むに伴い、世帯構成や労働の形態も多様化してきています。共働きの家庭も増えています。また、仕事のために親の帰宅時間が遅くなったり、単身赴任で両親が揃わなかったり、子供の塾や親の仕事の関係で食事時間がバラバラになるなど、さまざまな理由で家族全員が食卓を囲むという機会が少なくなっています。
しかし、食事の時間は、家庭にとってとても大切な時間であるということを、大人こそが再認識し、子供たちの健全な成長と健康維持のために必要な食習慣を身につけさせることが大切です。